「着る」の尊敬語は「お召しになる」で、謙譲語は「着させていただく」とWEBサイトではよく目にします。
しかし、わたしはこの「着させていただく」の表現には、なんとなく変な感じがしました。そこで、変な感じがしたわけを考えてみました。
「(さ)せていただく」表現に過剰反応した?
「(さ)せていただく」は、敬語表現として広く使われるようになりまた。
しかし、この「(さ)せていただく」を使うには、
相手の許可を受けて、わたしは行動をします。
行動した結果、わたしは恩恵を受けます。
恩恵を受けたことで、相手に大変感謝します。
この3つのことがあって、正しい表現になります。そうでなければ、間違いの表現です。
どんなときに、なにを着たら、どんな恩恵を受けるだろう
有名なファッションデザイナーがこの服を着てもいいよと言いました。
わたしは着ます。多くの人からスゴイねと言われそう。
名誉なことで、うれしいです。ファッションデザイナーに感謝しよう。
こんなことがあれば「着させていただきます」と言うかもしれません。
でも、どれくらいの人がこんな経験をするのでしょうか。
それよりは、
親友から洋服をもらいました。センスがよくて、気に入りました。毎日着ようと思います。
親友に感謝の気持ちを伝えるのに「着させていただきます」と言うのは不自然です。
仲良しの親友に対して敬語は使いません。使うことはふさわしくないからです。
「着る」の謙譲語は「着させていただく」で、※文法としては正しいのかもしれません。
でも、あまり使うことがないように思います。
親友に気持ちを伝える表現
会って話をする、メールやチャットをするのであれば、
「ありがとう!」
「すごく気に入って、毎日着てる!」
もし、手紙(書き言葉)であれば、
「ありがとうございます」
「大変気に入って、毎日着ております」
シンプルな表現で、十分に気持ちが伝わります。
変な感じがしたわけ
文法の正しさばかりが強調されて、ことばを使う本来の目的「おもい」を伝えることからずれていたからと考えました。