1.今回のテーマ:仕事の進み具合を報告するとき
このブログでは、上司と話すときの日本語 を紹介しています。
今回のテーマは、仕事の進み具合を報告するとき の日本語です。
会話モデルとよく使う表現を見て、
自分の職場でも使えそうな言い方を探してみてください。
2.どんな場面か:プレゼン資料の進捗報告
場面のイメージです。
- 社員:アンさん(元留学生、入社2年目)
- 上司:佐藤部長
- 内容:来週のプレゼンの資料作成が、今どこまで進んでいるかを上司に報告する
上司は、仕事の状況を早めに知りたいと思っています。
そのときに、短く・分かりやすく 説明できると安心されます。
3.会話モデル:上司に進捗を伝える
A:アン
B:佐藤部長
A:佐藤部長、今よろしいでしょうか。
B:はい、大丈夫ですよ。どうしましたか。A:来週のプレゼン資料の進捗について、ご報告いたします。
B:はい、お願いします。A:現在、全体の約7割まで作成が終わっています。
A:資料の構成とグラフは終わっていて、今はコメント部分を修正しているところです。B:そうですか。仕上がりはいつごろになりそうですか。
A:明日の夕方までに一度全体を仕上げて、
A:あさっての午前中に、部長に確認していただけるようにしたいと考えています。B:分かりました。では、あさっての午前中に見せてください。
A:はい、よろしくお願いいたします。
4.上司が聞きたいのは「今どこまで?」「問題ある?」「いつ終わる?」の3つ
進捗報告で、上司が本当に知りたいことは、実はとてもシンプルです。
- 今、どこまで進んでいるか
- 問題があるか・ないか
- いつ終わりそうか(見込み)
たとえば、
- 「けっこう大変です」「忙しいです」
という感想だけ を話してしまうと、上司は状況をイメージしにくいです。
それよりも、
- 「全体の7割まで終わっています。」(今どこまで?)
- 「今のところ、大きな問題はありません。」(問題ある?)
- 「◯日までに仕上げる予定です。」(いつ終わる?)
のように、数字・事実・見込み を先に伝えるほうが分かりやすくなります。
5.遅れそうなときこそ、早めの報告+対策案
仕事が順調なときだけでなく、遅れそうなとき の報告も大事です。
- 「まだ終わっていません。」だけだと、上司は不安になります。
- 「◯%まで進んでいます。◯日までにここまでは終わります。」とセットで言うと、状況がはっきりします。
NGとOKのイメージ
NG:ギリギリまで黙っている
- 例:「すみません、今日の締切に間に合いませんでした。」(当日になってから報告)
OK:早めに「今ここで止まっています」「◯日までに××を終わらせます」と伝える
- 例:「現在、全体の5割まで進んでいますが、データの確認に時間がかかっています。
そのため、本日の締切には間に合わない可能性があります。
◯日までにドラフト版を完成させて、最終版は△日に仕上げたいと考えています。」
このように、理由+対策(案) をいっしょに出すと、
上司も「何をどうサポートすればよいか」考えやすくなります。
6.進捗報告は「結論 → 状況 → 今後」の3ステップ
進捗報告をするときは、話す順番を意識すると、もっと伝えやすくなります。
- 結論:今の進捗
「現在、全体の7割まで終わっています。」 - 状況:何が終わっていて、何が残っているか
「構成とグラフは終わっていて、コメント部分を修正しているところです。」 - 今後:いつまでに何をするか
「明日の夕方までに全体を仕上げて、あさっての午前中にご確認いただけるようにします。」
この「結論 → 状況 → 今後」の3ステップをおさえると、
- 話が長くなりにくい
- 上司もメモを取りやすい
というメリットがあります。
7.進捗報告でよく使う言い方
1)話のきっかけ
- 「◯◯の進捗について、ご報告いたします。」
- 「現在の状況を共有させていただきます。」
2)進み具合
- 「現在、全体の◯割まで完了しています。」
- 「◯◯の部分は終わっていて、△△の部分を進めているところです。」
- 「予定より少し早く/少し遅れて進んでおります。」
3)今後の予定・見込み
- 「◯日までに、いったん全体を仕上げる予定です。」
- 「◯日の午前中にご確認いただけるように進めております。」
- 「問題がなければ、◯日には完成版をお出しできます。」
8.ミニ練習:自分の仕事で言いかえてみる
最後に、短い練習です。
自分の仕事や勉強を思い出して、次の3つを書いてみてください。
- 「現在、全体の◯割まで終わっています。」
- 「今は、△△をしているところです。」
- 「◯日までに、□□を完成させる予定です。」
この3つをつなげるだけで、シンプルな進捗報告になります。
9.しめの一言
大事なのは、「正しい日本語」よりも、
上司に分かりやすく伝えること です。
この記事の表現を、すこしずつ自分の仕事の場面で使ってみてください。

