ビジネス日本語を学ぶ上級学習者の中には、「もっと丁寧に書かないと失礼では?」と心配しすぎてしまう人も少なくありません。しかし実際のビジネスシーンでは、「自然で簡潔な表現」が信頼されるカギとなることもあります。
1. 【最重要】「です・ます」だけで十分丁寧
敬語を使おうとして「でございます」「いたします」などの文語的表現に頼る学習者は多いですが、ビジネスメールでは「です・ます」だけでも十分丁寧な印象になります。
例:
❌ ご連絡をいただきまして、誠にありがとうございます。
⭕ご連絡ありがとうございます。
無理に形式ばった敬語を使わなくても、丁寧に伝えることは可能です。
2. 過剰な敬語・謙譲語を避ける
「ご教示いただけますと幸いです」「ご査収ください」などの高度な表現は、正しく使うのが難しいため、使いこなせない場合は無理に使わせない指導が大切です。
例:
⭕ 教えていただけるとうれしいです。
⭕ 見ていただけますか。
正しい言葉を選ぶより、「失礼でない」+「伝わりやすい」ことを優先しましょう。
3. ポイントは「簡潔さ」と「配慮の一言」
長く書けば書くほど丁寧、という考えは日本のビジネスメールには当てはまりません。伝えたい内容を簡潔にまとめ、必要な配慮は一言で加えましょう。
例:
⭕ ご確認よろしくお願いいたします。
⭕ お手数ですが、よろしくお願いいたします。
4. 型をおさえる(依頼メールの例)
フォーマットをおさえるだけでも、メール全体の印象が安定します。以下のような構成で練習させるとよいでしょう。
件名:〇〇のお願い(例:資料送付のお願い)
あいさつ:いつもお世話になっております。〇〇の△△です。
本文:早速で恐縮ですが、〇〇についてご対応いただけますでしょうか。
結び:どうぞよろしくお願いいたします。
💡ワンポイントアドバイス
- 「丁寧すぎる=不自然」になることがある。
- 「失礼にならないライン」を意識する。