留学生は、日本で長く働き続けるか、あるいは帰国して日本での経験を活かすかといった、日本人の学生とは異なるキャリアの選択肢があります。とりあえず選択するのではなくて、今後どんなキャリア歩んでいきたいかといった「将来のビジョン」を考え、それを実現させるために必要なスキルや、今できることはなにかといったことをふまえて就職活動を進めていく必要があります。
「数年働いたら転職をしよう」という考えは、「将来のビジョン」としては弱い
終身雇用の考えが根強い日本では、転職よりも一つの会社で長く働いた経験の方が歓迎される傾向にあります。
日本以外の国では、長く同じ会社に勤務していると、「スキルがない」とみなされることもあるようですね。そのせいか、「4、5年働いたら辞める予定です」と言う人もいます。
転職に対し消極的な考えの人が多い日本では、具体的なビジョンを考えず辞めることや、具体的な理由もなく漠然と「4、5年」といった区切りをつけることは、自分のキャリアに不利に働く場合も。「何年後、どんな風に成長していたいのか」「どんなことができるようになっていたいのか」などを想定し、それを目指してスキルアップすることが大切です。
<母国に戻るケース>日本での経験が生かせず、母国での再就職がうまくいかないことも
母国での就職を希望している留学生の場合、日本での滞在期間が長くなるにつれ、母国とのコネクションがどうしても薄れてしまうため、いざ母国に戻り再就職しようとしても、日本での経験が生かせないケースも少なからずあるようです。せっかく日本で身につけた経験を活かせず、なかには英語圏へ留学した人よりも、条件の悪い会社に再就職しているという話もあります。
母国に戻り、これまでの経験を生かした仕事に就くため、日本にいるうちから母国で生かせるキャリアを考えながら就職先を探すことが大切です。
<日本で働き続けるケース>留学経験を生かして日本で長く働き続けるために、今できることはなにか
日本で働くことを選択する留学生のなかには、「とりあえず就職してから転職をする」という考えの人もいます。日本では入社して明確な理由がないまま早々に転職をすると、「根気がない」「頑張っていない」と思われ、悪い印象をもたれる場合もあるため、明確な目標を持たずに過ごしてしまうと、これまでの経験が生かせない職場に転職してしまうことにもなりかねません。
転職を見据えているなら、次の転職に活かせるようなスキルや経験を身につけられる職場を探すことが必要です。そのためには、将来のビジョンを明確にし、計画的な就職活動を行いましょう。
まとめ
もちろん、将来のビジョンはその時々で変更しても大丈夫です。そのときの自分にとって最適な道を選択してください。しかし、なんのビジョンも持たずに就職してしまうと、ただなんとなく転職を繰り返すばかりで、スキルを身につけるチャンスを失いがちです。
日本や母国、もしくは別の国で、これまで日本で培った貴重な経験を活かして活躍するために、“どのようなキャリアを歩んでいきたいか”という自分の軸となるものを明確にしておいた方が良いでしょう。