新しいプロジェクトの進め方について話し合っている会議です。
同僚の提案に対して、あなたは「少し問題が起きるかもしれない」と感じています。
内容には賛成できない。けれど、そこで「それは難しいと思います」「私は反対です」とそのまま言ったとき、場の雰囲気が重くなったと感じたことはありませんか。
日本のビジネス会議では、意見が違うこと自体は問題ではありません。大切なのは、その違いをどのように出すかです。
1 ビジネス場面提示
たとえば、新しい企画やプロジェクトの進め方について、会議で話し合っている場面を考えてみましょう。
相手の案にはよい点もあります。しかし、コストやスケジュール、現場での進め方を考えると、少し心配な点があります。
このようなとき、反対意見を出すことは必要です。ただし、言い方によっては、相手に「自分の案を否定された」と受け取られることがあります。
2 うまくいかない例
△「その意見には反対です。コストがかかりすぎます。」
△「それは現実的ではありません。」
文法として間違っているわけではありません。しかし、このような表現は、相手の案だけでなく、相手自身を否定しているように聞こえることがあります。
その結果、場が緊張し、話し合いが進みにくくなることがあります。
3 なぜ「反対です」は強く聞こえるのか
距離
日本語のやり取りでは、直接否定する言い方は強く受け取られやすいです。
必要なのは、反対意見を言わないことではありません。相手を押し返さずに、気になる点を出すことです。
「反対です」
↓
「別の視点から見ると、少し気になる点があります」
立場
部下から上司へ、または他部署の相手へ意見を伝える場面では、言い方に注意が必要です。
「違います」と言い切ると、相手の立場や、そこまで考えてきたことを軽く見ているように聞こえることがあります。
目的
会議の目的は、相手に勝つことではなく、よりよい案を作ることです。
「私は反対です」は、自分の意見を強く前に出す言い方です。
「私は反対です」
↓
「この点は、もう一度考えた方がよいかもしれません」
強さ
すべてをやわらかく言えばよいわけではありません。まだ検討している段階では、やわらかく気になる点を出す方が合うことがあります。
一方で、仕事を進める上で大きな問題がある場合は、はっきり伝える必要があります。
4 言い方を少し変えると
まず気になる点を出したいとき
△「その意見には反対です。」
◎「別の視点から見ると、少し気になる点があります。」
◎「現場の状況を考えると、少し慎重に見た方がよさそうです。」
よい点を認めてから伝えたいとき
△「それは現実的ではありません。」
◎「方向性はよいと思いますが、コスト面は少し気になります。」
◎「その点は理解できますが、実際に進めるときには課題もありそうです。」
進める条件を確認したいとき
△「このまま進めるのは難しいと思います。」
◎「進める場合は、スケジュール面をもう少し確認したいです。」
◎「このあたりは、もう少し整理してから進めた方がよさそうです。」
リスクをはっきり伝えたいとき
△「反対です。危ないと思います。」
◎「このまま進めると、コスト面で大きな負担が出る可能性があります。」
◎「現時点では、スケジュール面のリスクが大きいように感じます。」
◎「この点は、進める前に確認しておく必要があると思います。」
大切なのは、いつも一番やわらかく言うことではありません。距離・立場・目的・強さに合わせて、言い方を調整することです。
5 強さを比べてみると
| 強さ | 表現 | 印象 |
|---|---|---|
| 弱い | 少し気になる点があります。 | 話し合う点を出している |
| 中くらい | もう少し確認した方がよさそうです。 | 条件を確認している |
| やや強い | この点は再検討が必要かもしれません。 | 見直しを求めている |
| 強い | このまま進めると、リスクが大きいと思います。 | はっきり注意している |
| とても強い | この案には反対です。 | 明確だが、強く聞こえやすい |
6 まとめ
会議で必要なのは、反対意見を言わないことではありません。
相手を直接否定せず、話し合う点として出し直すことです。
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