このシリーズでは、日本で働く留学生・外国人の方向けに、「キャリアを話す日本語」をテーマに紹介します。
日本の職場では、目標や希望を伝えるときに、言い方や話す順番によって、受け取られ方が変わることがあります。
今回は、[1on1での目標設定]について、実際の会話例をもとに、日本の職場で使われやすい言い方を整理します。
場面の説明
年度初めの1on1や面談で、上司から「今年はどんなことに取り組みたいですか」と聞かれる場面を想定します。
会話モデル
登場人物
- 佐藤部長
- アンさん(留学生・入社2年目)
佐藤部長:
「アンさん、今年の目標について、何か考えていることはありますか。」
アンさん:
「はい。今年は、今の業務をもう少し安定して任せていただけるようになりたいと考えています。」
佐藤部長:
「なるほど。具体的には、どんな点ですか。」
アンさん:
「まずは、報告やスケジュール管理をより正確に行えるようにしたいです。その上で、プロジェクトの一部を主体的に担当できればと思っています。」
佐藤部長:
「いいですね。将来的に興味のある分野はありますか。」
アンさん:
「はい。将来は○○の分野にも関わりたいと考えていますが、今年はまず基礎をしっかり固めたいです。」
佐藤部長:
「分かりました。今年はそこを意識して進めていきましょう。」
ミニ解説
この会話では、話す順番が一つのポイントになります。
アンさんは、以下の流れで話しています。
日本の職場では、いきなり将来の希望から話すよりも、「今の仕事をどう考えているか」が先に伝わると、話を聞いてもらいやすいことがあります。
よく出てくる表現
- 「〜と考えています」
自分の意見を、やわらかく伝えたいときによく使われます。 - 「まず〜したいです」
今、特に大切にしていることを示す言い方です。 - 「その上で〜したいです」
今後の方向を、段階的に伝えるときに使われます。
気をつけたい言い方の例
「今年は○○の仕事をやりたいです。できれば異動したいです。」
このような言い方は、今の仕事とのつながりが見えにくく、聞く側が少し戸惑うことがあります。
会話から考えられること
- 今の仕事をどう見ているか
- 今年、どんな力を身につけたいか
- 将来の話を、どのタイミングで出すか
こうした点が整理されていると、キャリアの話が伝わりやすくなることがあります。
ミニ練習(参考)
会話例の形を使って、自分の場合はどう言えそうかを考えてみましょう。
例:
「今年は、まず[今の仕事で大切にしたいこと]を意識しています。
その上で、[少し先の目標]にも関われたらと考えています。」

