L.Yさんは履歴書の書き方や面接の受け方を、インターネットなどで調べた上で相談に来ました。その努力はすごいなと評価できることです。しかし、内容はありきたりで、L.Yさんらしさが表現できていません。私はA社の社長のことを存じあげてたので、抽象的な表現でごまかすよりは、本音で語った方が必ず伝わるだろうし、社長も採否をそこから判断されるだろうと考えました。何度かこのサイトでも伝えているとおり、自己PRや志望動機では、正確な日本語文法を使用することにこだわるよりも、いかに論理的に表現できるかのほうが重要です。
L.Yさんは、理系出身で大学院を修了しています。ですので、実験計画、論文執筆と、論理的思考を鍛えあげられているはずです。そこで、まずは大学院での研究テーマについて話してもらいました。私は、研究テーマそのものを理解したいのではありません。それよりは、研究テーマを話すときに、どのように話を展開させているかに関心があります。今回は、私にも分かるように懸命に説明してくれたので、なんとなくわかった気でいます。大変、面白かったです。話を聞いているうちに、L.Yさんの自分の知識を生かせるモノづくりに携わりたという熱意に打たれました。そして、そのためには日本でチャンスをつかむんだという決意も伝わってきました。
新卒採用に応募するには年齢が高く、中途採用に応募するには経験が浅くと、決して条件が良いところばかりではありません。しかも、日本語力もこれから頑張らなくてはならないといった具合です。人によっては、このケースはただ幸運が舞い降りてきたと感じるかもしれません。でも、近くで見ていた私としては、幸運が舞い降りてくるように、自ら行動していたと思います。
A社の社長は、いろいろなアイディアをお持ちの方です。L.YさんもA社に入社したら、ステキなモノをつくって、世の中に広めて欲しいです。