第1回では日本のビジネス現場で使われるカタカナ語を20語紹介し、第2回では「日本人が英語だと思って使っているため、学習者ほど混乱しやすい」という特徴を解説しました。今回は、実際の会話やメールでどのように使われるかを具体的に見ていきます。
1. 会議や打ち合わせで
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「この件については、来週ミーティングをしましょう。」
(ここでの「ミーティング」は30分程度の打ち合わせを意味することが多い)
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「次回のプレゼンでは、製品の特徴を3点に絞って説明してください。」
(ビジネス日本語では“presentation”を必ず「プレゼン」と省略して使う)
👉 学習者は「会議」「発表」との使い分けに注意しましょう。
2. 営業や取引先とのやり取りで
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「来週、お客様とアポを取っていただけますか。」
(「アポ=appointment」の略。メールや口頭で頻繁に使う)
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「このサービスは、今月末まで無料でご利用いただけます。」
(英語の“service”とは異なり、日本語では「無料提供」の意味が強い)
👉 「アポ」や「サービス」は、英語を知っているからこそ誤解しやすい代表例です。
3. 社内連絡で
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「新しい規則についてはコンプラの観点から注意してください。」
(complianceの略。正式な表現を知っていても、日本語では短縮形が普通)
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「次のプロジェクトは3人チームで進めます。」
(日本語では小さな案件でも「プロジェクト」と呼ぶことがある)
👉 英語より広い意味で使われている点に気をつけましょう。
4. 苦情や問題対応で
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「お客様からクレームが入りましたので、至急対応します。」
(日本語では「苦情」の意味。英語の“claim”とは違う)
👉 「クレーム」は、英語を知っている人ほど混乱しやすい重要単語です。
まとめ
実際の会話やメールでは、日本人が当たり前のようにカタカナ語を使います。たとえ原語と意味が違っていても、それを指摘する必要はありません。学習者にとって大切なのは、「ああ、日本語ではこういう意味で使うんだな」と理解しておくこと。そうすれば違和感があっても、自然に会話を続けられます。
次回は、練習問題(穴埋め・言い換え・ケーススタディ)を通して、実際に使える力を養う記事を予定しています。