和製英語や意味の変化したカタカナ語は、日本人が英語だと信じて使っているため、英語を知っている学習者ほど戸惑います。ここで大切なのは、「日本人の言い方を正すこと」ではなく、「そういう言い方をするのだ」と割り切る姿勢です。必要なときは、相手の言葉をそのまま繰り返して確認すれば、誤解なく会話を進められます。
前回は、日本のビジネス現場でよく耳にするカタカナ語を「外来語・和製英語・短縮形・意味が変化したもの」に分けて紹介しました。今回は、その続きとして 外国人ビジネスパーソンが特に混乱しやすい理由 を解説します。ポイントは、日本人が「英語だと思って」使っている表現と、実際の英語との違いです。
1. 外来語そのまま ― ニュアンスの違い
「ミーティング」「プレゼン」などは英語に見えますが、日本語の中では少し意味が狭かったり、カジュアルに使われたりします。たとえば、日本人が「会議」より「ミーティング」と言うと、短時間の打ち合わせをイメージすることがあります。知っている英語だからこそ、意味の幅の違いに注意が必要です。
2. 和製英語 ― 日本人は英語だと思って使っている
「サラリーマン」「リフォーム」「コンセント」「マイカー」などは、実は英語ではそのまま通じません。しかし日本人は「英語から来た言葉」だと信じて使っています。英語を理解している学習者ほど「意味が違うのでは?」と混乱しやすい部分です。日本語としての意味を優先して覚えることがポイントです。
3. 短縮形 ― 英語よりさらに省略されている
「アポ」「コスパ」「コンプラ」などは、もともと英語の単語を日本語に取り入れたうえで、さらに省略されています。日本人は当たり前のように使いますが、英語には存在しない形です。学習者は「略される前の形(appointment, complianceなど)」を知っているからこそ「なぜアポ?コンプラ?」と戸惑うことがあります。英語の知識に引きずられず、日本語独自の略語として理解することが必要です。
4. 意味の変化 ― 英語とのズレが大きい
「マンション」「クレーム」「サービス」などは、原語と異なる意味で日本語に定着しています。
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マンション:英語では豪邸、日本語では集合住宅。
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クレーム:英語では「要求」、日本語では「苦情」。
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サービス:英語では「提供」、日本語では「無料で提供されるもの」。
このように、日本人は「英語の言葉」と思って使っているため、英語を理解する学習者ほど「え?そんな意味で?」と驚く場面が多いのです。
まとめ
和製英語や意味の変化したカタカナ語は、日本人が英語だと信じて使っているため、英語を知っている学習者ほど戸惑います。ここで大切なのは、「日本人の言い方を正すこと」ではなく、「そういう言い方をするのだ」と割り切る姿勢です。必要なときは、相手の言葉をそのまま繰り返して確認すれば、誤解なく会話を進められます。
👉 次回は、実際の会議やメールでこれらのカタカナ語がどう使われるか、例文を通して練習できる内容を紹介します。