日本企業の会議では、沈黙が続く場面や「どのタイミングで発言すればよいのか」と迷う場面が少なくありません。特に、日本では「結論をいきなり言う」よりも、一言クッションを置いてから意見を述べることが好まれる傾向があります。
今回は、実際の職場で役立つ「会議で発言を切り出すときの日本語表現」を紹介します。
例文と使用例
1. 確認をしたいとき
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「一点だけ確認させていただいてもよろしいでしょうか。」
👉 会議中に議題が進んでいるとき、誤解を避けるために使います。
使用例:
「先ほどのスケジュール案について、一点だけ確認させていただいてもよろしいでしょうか。来月の出荷日は、当初の予定どおりですか?」
2. 相手の説明に追加したいとき
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「先ほどのご説明に関連して、追加で申し上げたいことがあります。」
👉 他の人の発言を受けて、自分の意見を補足するときに便利です。
使用例:
「先ほどのご説明に関連して、追加で申し上げたいことがあります。国内市場だけでなく、海外の動向も合わせて検討する必要があると思います。」
3. 補足をしたいとき
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「少し補足してもよろしいでしょうか。」
👉 発言者の内容を補う形で、自分の考えを述べたいときに使います。
使用例:
「ただいまの説明に関して、少し補足してもよろしいでしょうか。先週の会議で出た提案も、今回の案件に関連していると思います。」
4. 異なる視点を出したいとき
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「別の角度から意見を述べさせていただいてもよろしいでしょうか。」
👉 反対意見を言うときにも、柔らかく聞こえます。
使用例:
「別の角度から意見を述べさせていただいてもよろしいでしょうか。コスト面だけでなく、社員の負担も考慮すべきだと考えています。」
5. 話題を変える/新しいテーマに入るとき
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「ここで話題を少し変えてもよろしいでしょうか。」
👉 会議が一区切りしたときに、新しい論点を出すのに役立ちます。
使用例:
「ここで話題を少し変えてもよろしいでしょうか。次回のプレゼン資料の準備についても、あわせて確認したいと思います。」
解説
会議での発言は、「結論」よりも「前置き」から始めるとスムーズになります。
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「〜させていただいてもよろしいでしょうか」という言い方は、相手に許可を求めながら自然に会話に入れる表現です。
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前置きの一言によって、場の空気を和らげ、聞き手に「これから新しい意見が出る」と心の準備をさせられます。
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ビジネスの場では、短くても丁寧な表現が「協調性のある人」という印象につながります。
つまり、一言クッション=会議で発言するパスポートなのです。
まとめ
👉 日本企業の会議では、沈黙を破るときも、意見を言うときも「一言のクッション」を使うと安心です。
👉 「確認」「補足」「新しい視点」など、状況に合わせて表現を使い分けましょう。
👉 ビジネス日本語 会議編の第一歩は、「発言の切り出し方」を身につけることから始まります。