日本のビジネス現場でよく使われるカタカナ語(第5回:カタカナ語を避けた日本語表現編

これまでのシリーズでは、日本のビジネス現場で使われるカタカナ語の特徴や実際の使用例、練習問題を紹介してきました。最終回となる今回は、カタカナ語を避けて表現する方法を考えてみましょう。


1. なぜカタカナ語を避けるのか

日本のビジネスではカタカナ語がよく使われますが、すべての人に分かりやすいとは限りません。特に公的な場面、公式文書では「日本語らしい表現」に言い換えたほうが適切な場合があります。


2. よく使われる言い換え例

  • ミーティング → 打ち合わせ、会議

     短時間なら「打ち合わせ」、正式なら「会議」と表現すると伝わりやすい。

  • プレゼン → 発表、説明

     社外向けなら「発表」、社内向けなら「説明」と言い換え可能。

  • アポ → 面談の約束、訪問の予定

     ビジネスメールでは「ご都合のよい日時で面談の約束をいただけますか」と言い換えると丁寧。

  • クレーム → 苦情、お申し出

     お客様対応では「ご意見」「ご要望」と柔らかく言い換えることもある。

  • サービス → 無料提供、特典

     「無料で提供いたします」「特典としてご利用いただけます」と言い換えると誤解が少ない。


3. 実践ポイント

学習者は「カタカナ語=必ず使わなければならない」と考える必要はありません。相手や場面によっては、日本語の言い換え表現を使う方が好まれることも多いのです。

一方で、職場では周囲がカタカナ語を自然に使っているため、それを理解して対応できるようにしておくことは大切です。


まとめ

カタカナ語は日本のビジネス文化の一部ですが、常に使う必要はありません。むしろ状況に応じて「打ち合わせ」「発表」「苦情」といった日本語表現を選ぶことが、より分かりやすく丁寧なコミュニケーションにつながります。

👉 学習者のみなさんも「カタカナ語を知っている」「日本語で言い換えられる」両方の力を持つことで、場面に応じた柔軟な対応ができるようになります。


 

門永 美保

ビジネス日本語講師

日本語教師養成講座420時間修了。2015年4月から現在まで、京都府内大学の留学生を対象としたビジネス日本語の講義で非常勤講師を務めています。

2023年からは日系企業に就職したい・就業している世界中の人へ向けたビジネス日本語のオンラインレッスンを展開。

留学生の就職支援業務の経験もあり、ビジネスマナーも含めたアドバイスを行えます。

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