日本では、PhD(博士号を持っている人)やポストドク(博士のあとに研究をしている人)が、会社にやとわれにくいことがあります。なぜでしょうか? その理由をやさしい日本語でまとめました。
1.「しんそついっかつさいよう」と「しゅうしどまり」の文化
• 日本の会社は、大学を出たばかりの人(新卒)をまとめてやとうことが多いです。
• 多くの人は、修士(しゅうし)を出て、24〜25歳で会社に入ります。
• でも、PhDの人は、27〜30歳ごろに仕事をさがすことになります。年れいが高いと思われることがあります。
• 会社は、PhDの人を「ふつうのやといかたから外れている」と考えて、あまりやといません。
2.「オーバースペック(すごすぎる)」と思われる
• 日本の会社には、PhDの人の専門(せんもん)を生かせる仕事が少ないです。
• 「PhDの人は研究だけが得意で、会社の仕事になじまないかもしれない」と思う人もいます。
• また、「自分の研究を大事にしすぎて、チームで働くのがにがてでは?」と心配する会社もあります。
3.きゅうよ(お金)の問題
• 海外では、PhDの人は修士の人よりも高いきゅうよでやとわれることが多いです。
• でも、日本では修士と同じきゅうよのことが多いです。
• PhDの人は、「がんばって博士をとったのに、お金がふえないのはかなしい」と考えます。
• 会社も、「PhDの人は高いきゅうよをほしがるかも」と心配して、はじめから修士の人をやとうことが多いです。
4.キャリアの道が見えにくい
• 日本の会社には、PhDの人がどうやってキャリアをつくっていくか(キャリアパス)がはっきりしていません。
• 海外では、PhDの人が研究職やマネージャーになるルートがあります。
• 日本では、「やとっても、どんな仕事をしてもらえばいいかわからない」と思う会社もあります。
5.大学と会社のつながりがよわい
• 日本では、大学と会社のきょうりょくがまだよわいです。
• 会社は、「PhDの人が学んだことが、会社でどうやくに立つのか、よくわからない」と思っています。
• そのため、「PhDの人をやとってもメリットがあるかわからない」と感じる会社もあります。
6.少しずつ、かわってきている
• 最近では、AI(人工知能)・バイオ・データサイエンスなどの分野で、PhDの人のニーズ(ひつよう)がふえてきました。
• 日本の政府も、PhDの人をもっと会社で活やくさせるためのサポートをしています。
• これからは、会社が考え方をかえること、そしてPhDの教育の内容を、会社のニーズに合うように見なおすことがたいせつです。
まとめ
日本の会社がPhDやポストドクの人をやといにくいのは:
• 新卒一括採用の文化
• オーバースペックへのしんぱい
• きゅうよやキャリアパスの問題
• 大学と会社のつながりがよわいこと
などの理由があります。
でも、最近はPhDの人が必要とされる仕事もふえてきています。これからは、会社の考え方のへんかと、博士課程の教育の見なおしがたいせつになります。