1. 日本語は話し言葉と書き言葉のちがいが大きい
日本語は、**話すときの言葉(話し言葉)と書くときの言葉(書き言葉)**が大きくちがいます。特に、ビジネスの場面では、書き言葉がとてもかたい表現になります。英語や中国語と比べても、日本語はこのちがいが大きいと言われています。
たとえば、話すときは短くてシンプルな文を使いますが、書くときは長くてていねいな文になります。また、書き言葉には常体(だ・である調)と敬体(です・ます調)があるため、場面に応じて使い分ける必要があります。
2. 話し言葉と書き言葉の具体的なちがい
✅ 話し言葉:カジュアルで、短い文が多い
✅ 書き言葉(敬体):ていねいで、ビジネス文書やメールでよく使う
✅ 書き言葉(常体):論文や報告書、マニュアルなどで使う
例を見てみましょう。
話し言葉 |
書き言葉(敬体) |
書き言葉(常体) |
あの件、どうなった? |
先日ご相談した件につきまして、進捗状況をお伺いできますでしょうか。 |
先日相談した件の進捗状況を確認する。 |
この書類、見といて。 |
お手数ですが、こちらの書類をご確認いただけますでしょうか。 |
この書類を確認すること。 |
それ、知らなかった。 |
その件につきまして、存じ上げておりませんでした。 |
その件については把握していなかった。 |
このように、ビジネスの書き言葉では、クッション言葉や敬語を使ってやわらかくすることが多いです。一方で、マニュアルや報告書では常体(だ・である調)を使い、簡潔に表現することが求められます。
3. 話し言葉と書き言葉を使い分けるポイント
💡 ポイント①:主語や接続詞がちがう
• 話し言葉:「昨日、課長と会って、プロジェクトの話したんだ。」
• 書き言葉(敬体):「昨日、課長と面談を行い、プロジェクトについて協議いたしました。」
• 書き言葉(常体):「昨日、課長と面談を行い、プロジェクトについて協議した。」
💡 ポイント②:ていねいな表現が多い
• 話し言葉:「それ、知らなかった。」
• 書き言葉(敬体):「その件につきまして、存じ上げておりませんでした。」
• 書き言葉(常体):「その件については把握していなかった。」
💡 ポイント③:依頼や意見の伝え方がちがう
• 話し言葉:「これやってくれる?」
• 書き言葉(敬体):「お手数ですが、ご対応いただけますでしょうか。」
• 書き言葉(常体):「この件について対応すること。」
まとめ
日本語は、話すときと書くときで言葉のちがいが大きいです。特に、ビジネスの場面では、書き言葉がとてもかたくなるので、しっかり学ぶことが大切です。さらに、書き言葉には「敬体(です・ます調)」と「常体(だ・である調)」の2種類があり、場面に応じて使い分ける必要があります。場面や相手に合わせて、適切な表現を選びましょう!
練習問題:カジュアル表現とビジネス表現回答例
(1) 先ほどはありがとうございました。
(2) 申し訳ありません、少々遅れます。
(3) それでは、失礼いたします。
(4) 恐れ入りますが、こちらをご対応いただけますでしょうか?
(5) 申し訳ありませんが、会議の時間を変更することは可能でしょうか?
(6) お手数ですが、その資料をお送りいただけますでしょうか?
(7) こちらの案は少し難しいかもしれません。
(8) こちらの方法のほうがよろしいのではないでしょうか?
(9) こちらのやり方で進めさせていただければと思います。
(10) 申し訳ありませんが、ご対応が難しい状況です。
(11) 本日は難しいのですが、別の日程でいかがでしょうか?
(12) こちらの業務は後ほど対応させていただきます。