メールの基本構成
ビジネスメールの全体構成は以下の通りです。
- 件名:具体的で一目で内容がわかる(例:「〇〇プロジェクト進捗報告の確認依頼」)
- 宛名:相手の名前・役職(例:「田中様」「佐藤部長」)
- 挨拶:簡潔に(例:「お世話になっております」「はじめまして」)
- 本文:
- 主旨
- 背景・状況説明
- アクション(自分)
- アクション(相手)
- 結び:短く(例:「よろしくお願いします」)
- 署名:名前、会社名、連絡先
以下では、4つのポイントを具体例(社内・社外向け)とNG例で詳しく解説します。
1. メールの主旨
メールの目的を最初に1文で明確に伝えます。相手が「何の話か」を即座に理解できるようにしましょう。
ポイント
- 1~2文で簡潔に。具体的で曖昧さを排除。
- 件名と主旨を一致させ、相手の理解を助ける。
具体例(社内)
- 件名:マーケティング資料の確認依頼
- 主旨:マーケティング資料の初稿について、ご確認をお願いしたくご連絡しました。
具体例(社外)
- 件名:〇〇プロジェクト提案書の提出について
- 主旨:〇〇プロジェクトの提案書をお送りしたく、ご連絡いたしました。
NG例
- ご連絡させていただきたく存じます。(何の話かわからない)
- マーケティング関連のご相談です。(具体性が不足)
実践のコツ
件名を書き終えたら、主旨を「件名の詳細版」として書くイメージ。たとえば、件名が「進捗報告の確認依頼」なら、主旨は「〇〇プロジェクトの進捗報告についてご確認をお願いします」と具体化。
2. 背景・状況説明
メールの目的に至った理由や背景を1~2文で簡潔に説明。相手が状況を把握できるように、必要最低限の情報を提供します。
ポイント
- 長すぎる説明は避け、相手が知らない前提で簡潔に。
- 関連する過去のやり取りや決定事項を参照。
具体例(社内)
- 背景:先週のチームミーティングで決定したマーケティング資料の初稿が完成しました。
具体例(社外)
- 背景:先日の打ち合わせでご依頼いただいた〇〇プロジェクトの提案書を準備しました。
NG例
- 先日の会議でご議論いただいた内容を踏まえ、さまざまな観点から検討を重ねた結果、詳細なご説明をさせていただきたく…(冗長で本題が不明)
- 〇〇についてご連絡しました。(背景が不足)
実践のコツ
背景は「なぜこのメールを送っているのか」を相手が理解できるように書く。たとえば、「〇月〇日の会議で〇〇を決定したため」「ご依頼いただいた〇〇に基づき」など、具体的なきっかけを簡潔に記載。
3. アクション(自分)
自分が既に取った行動や、これから取る予定の行動を具体的に伝え、相手に自分の状況を明確に示します。これにより信頼感を構築。
ポイント
- 具体的な行動(例:資料送付、データ分析)を明示。
- 時制を明確に(過去:したこと、未来:する予定)。
具体例(社内)
- アクション(自分):マーケティング資料の初稿を添付しました。
具体例(社外)
- アクション(自分):提案書を作成し、本メールに添付しております。
NG例
- 私の方で拝見させていただきました資料を…(曖昧で受動的)
- 資料を準備中です。(具体性が不足)
実践のコツ
「自分が何をした(する)のか」を動詞で明確に。例えば、「資料を添付しました」「来週までに分析を完了します」など、行動を具体的に記述。
4. アクション(相手)
相手に求める具体的な行動(例:確認、返信、承認)を明確に伝え、期限や方法を明示。丁寧な表現で命令口調を避けましょう。
ポイント
- 「何を」「いつまで」にしてほしいかを具体的に。
- 「お願いします」「いただけますか」など丁寧な表現を。
具体例(社内)
- アクション(相手):お手数ですが、〇月〇日(金)までに資料をご確認いただき、コメントをお願いします。
具体例(社外)
- アクション(相手):お忙しいところ恐縮ですが、〇月〇日(金)までに提案書をご確認いただき、ご意見をいただけますでしょうか。
NG例
- ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。(何をいつすべきか不明)
- ご多忙のところ恐縮ですが、適宜ご対応ください。(曖昧で行動が不明)
実践のコツ
相手が忙しいことを考慮し、具体的な依頼と期限を明示。「〇〇を確認し、〇月〇日までにご返信ください」「ご質問があればご連絡ください」と書くと、相手が行動しやすくなる。
5. 結びの言葉
メールを簡潔に締める言葉を入れます。過剰な丁寧さは不要で、相手との関係性に応じたトーンを選びましょう。
ポイント
- 1文で十分。冗長な表現は避ける。
- 例:「よろしくお願いします」「ご確認お待ちしています」「ご質問あればご連絡ください」。
具体例(社内)
- ご確認よろしくお願いします。
具体例(社外)
- ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
NG例
- ご多忙のところ恐縮ですが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。(冗長)
実践のコツ
社内ならカジュアルに「確認お願いします」、社外ならやや丁寧に「ご確認よろしくお願いいたします」と使い分ける。状況に応じて「ご質問があればご連絡ください」など柔らかく締めても良い。
6. 読み手の視点を意識する
メールは「相手が読みやすい」ことを最優先。忙しい相手を想定し、簡潔で視覚的にわかりやすい構成を心がけましょう。
ポイント
- 箇条書きや短い段落で情報を整理。
- 長編の文章は避け、要点を明確に。
具体例(箇条書き)
- 状況:〇〇プロジェクトの進捗を確認しました。
- 依頼:〇月〇日までにご確認いただき、コメントをお願いします。
NG例
- 長編の文章で状況、アクション、依頼を混ぜて説明(読み手が混乱)。
実践のコツ
メールを書き終えたら、「30秒で理解できるか」を基準に読み直す。箇条書きを活用し、視覚的に情報を整理。例:
- 背景:〇月〇日の会議で決定した〇〇について。
- アクション:資料を添付しました。
- 依頼:〇月〇日までにご確認ください。
7. 状況に応じた柔軟性
相手(社内・社外)や目的(依頼・お礼・謝罪)によって、トーンや構成を調整。社内ならカジュアルに、社外なら丁寧に。
具体例(社内:カジュアル)
件名:マーケティング資料の確認依頼
佐藤部長
お疲れ様です。山田です。
マーケティング資料の初稿について、ご確認をお願いしたくご連絡しました。
先週のミーティングで決定した内容を基に、初稿を完成させました。
資料を本メールに添付しました。
お手数ですが、〇月〇日(金)までにご確認いただき、コメントをお願いします。
よろしくお願いします。
山田太郎
営業部 / 123-456-7890
具体例(社外:丁寧)
件名:〇〇プロジェクト提案書の提出について
田中様
お世話になっております。株式会社ABCの山田でございます。
〇〇プロジェクトの提案書をお送りしたく、ご連絡いたしました。
先日の打ち合わせでご依頼いただいた内容を基に、提案書を作成しました。
提案書を本メールに添付しております。
お忙しいところ恐縮ですが、〇月〇日(金)までにご確認いただき、ご意見をいただけますでしょうか。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
山田太郎
株式会社ABC 営業部 / 123-456-7890
実践のコツ
- 社内:簡潔でフレンドリー(「確認お願いします」など)。
- 社外:丁寧でフォーマル(「ご確認よろしくお願いいたします」など)。
- 目的に応じて構成を調整(例:謝罪メールなら「背景」で謝罪を強調)。
まとめ:具体例で振り返る
以下の構成を意識すれば、相手にとってわかりやすく、信頼感のあるメールが書けます:
- 主旨:例「〇〇プロジェクトの進捗確認をお願いします。」
- 背景:例「先週の会議で決定した〇〇に基づき、資料を準備しました。」
- アクション(自分):例「資料を本メールに添付しました。」
- アクション(相手):例「〇月〇日までにご確認いただけますか。」
練習方法
- 上記の具体例を参考に、社内・社外向けのメールを1通ずつ書いてみる。
- 書いたメールを「4つのポイントが含まれているか」「30秒で理解できるか」でチェック。
- 長編メールを箇条書きに整理する練習をする。
この構成を活用すれば、ビジネスメールが格段にわかりやすく、プロフェッショナルになります。ぜひ実践して、相手に信頼されるメールを書きましょう!