グループディスカッションでは、なかなか自分の意見が言えず、苦手意識を持っている日本人学生も多くいます。でも、なんでもかんでもしゃべれば良い結果が得られるものでもありません。
他人の意見を聞かずに自分の意見ばかり主張する…
他人の意見を全否定する…
このような態度も、評価は低くなります。
積極的に討論に参加することと、自分の主張を押し通すことは、全く違います。では、グループディスカッションをどのように進めていくのか、概略をお伝えします。
グループディスカッションで企業は何を評価するのか(共通)
どう議論がされたかが問われる
グループでは…
チームで働く力、推進力、議論を前に進める力
□ 議論の方向性を決めてグループを効率よくアウトプットすること
□ どんなコンセプトで議論するか
□ どういうアプローチで答えに向かうか
※ 良いアイディアを出すことに気をとられない
個人では…
発信力・傾聴力・柔軟性・情況把握力
□ 落ち着いて考えること
□ 考えを整理してから話すことを意識する
※ “とにかくたくさん発言しなきゃ”と焦らない
グループディスカッションの流れ(共通)
準備
自己紹介をする(簡単に)
役割分担を決める(司会、書記、発表者、タイムキーパーなど)
実行
1 時間配分を決める
発表の仕方を相談する時間も忘れずに
2 議論の条件を決める
コンセプトを決める(あれもこれもと盛り込まない)
3 各自で考えをまとめる(時間が短い場合は省略)
4 議論する
アイディアを出せるだけ出すこと(“答え”を求めない)
全員が意見を出しやすい雰囲気(司会)
5 意見を整理する
どうすれば実現できるのか?
意見のグルーピンク(書記)
意見を整理する時間へと誘導(タイムキーパー)
6 結論を出す
結論とその理由をまとめる(司会者)
グループディスカッションの種類
自由討論型
答えのない問題(普遍的なテーマ)について、自由に討論するもの
白熱した議論をしやすいが、抽象的な話で終わってしまう可能性も
課題解決型
課題を解決するための正しい回答があるわけではない
結論には独創性も問われる
最後に
これまで留学生がグループディスカッションをしているところを見て、不思議だなと思うことがあります。それは、発表後に“このアイディアはどうですか”と質問するシーンを見たときです。質問は、そのグループで討論されて発表した内容に対して、不足している点、疑問に思う点を聞くものです。決して、自分のアイディアを披露する場ではありません。積極的な態度は大変良いことなのですが、面接官に人の話を聞いていないのかな、理解していないのかという印象を与えます。余談ですが、質問でない質問をするのは、中高年の日本人男性の中で自分が一番と考えている人たちにも、よく見られるそうです。