“貿易”をしたい、”貿易”の会社に入社したいという留学生が多くいます。“貿易”とは、外国の相手とモノやサービスの売買取引をする業務のことを指します。ですので、業界や職種ではありません。“貿易”でおさえてほしいポイントを2つあげますので、業界・企業研究の前に、きちんと理解しておいてください。
“貿易”とは製品の輸出入に関する業務のこと
“貿易”業務は商社だけで行われているのではなく、
各企業の営業部門や各事業部門においても携わることができるということ
外国にモノやサービスを売ることを輸出、外国から買うことを輸入ということは、もうご存知ですね。また、ある国で買った商品を、別の第3国に売るという貿易もあります。次に、輸出入の流れを振り返ってみましょう。
⭐️輸入
企業では、商社が外国の相手から買ったモノやサービスを、国内のメーカーや小売・流通業者に売るという業務に携わっています。また、メーカーでも、外国の相手から直接モノやサービスを買って、別の商品を作り、日本で売ることもあります。このときには、メーカーの営業部門や各事業部門が貿易実務を担当し、外国の相手と直接取引をします。
⭐️輸出
メーカーが国内で生産したモノやサービスを、商社が外国の相手に売ります。また、外国の企業が、商社を介さずに日本の企業に対して、モノやサービスを直接買うこともあります。
輸出入の流れが分かったところで、貿易の実務に携わる人に求められる人物像をお伝えします。
母国語と日本語だけでは不十分
外国の相手と電話、メールなどで取引をするので、外国語によるコミュニケーションが必要ですが、使用される共通言語は英語です。場合によっては、母国語と日本語だけでは不十分かもしれません。
語学よりも求められるもの
貿易・為替用語、貿易関係の書類を覚えること、輸出入規制等の関連法規に関する専門知識を身につけることが必要です。また、業務は細部にわたって正確に行えることができるかが問われますので、一つ一つしっかりと仕事がこなせる人でなければなりません。また、貿易実務の経験のある人を求めることが多く、決して外国人であることが有利に働いて、雇用されるわけではないのです。
業界・企業研究をする前に、まずは“貿易”とはなにかをきちんと理解することも必要ではないでしょうか。