「今からでも大丈夫ですか?」
新卒の採用活動が落ち着いてくるこの時期、留学生からよくこんな質問を受けます。「大丈夫だよ」と安心させてあげたい気持ちはありますが、現実を考えると簡単には言えません。
先日、この質問に対して正直な反応をしてしまったところ、「話にならない!」と怒られてしまいました。どうやら、私の表情や態度に本音が出てしまったようです。そこで改めて、こうした相談をする人の傾向を整理してみました。
人に頼りすぎて、自分の考えが持てない
仕事の経験がなく、しかも日本という異国で就職活動をするのは、とても不安なことだと思います。わからないことを人に聞くのは大切ですが、ずっと誰かに頼りきりで、自分の人生を他人に委ねるわけにはいきません。情報を集めた上で、最終的には自分で判断することが大切です。
就職活動の目的を見失いやすい
企業に応募する前には、自己PRや「なぜこの会社で働きたいのか」をしっかり準備する必要があります。しかし、中には「とにかく内定をもらうこと」を目的にしてしまい、働くことへのイメージを持たずに就職活動を進めている人もいます。その結果、選考対策や面接のテクニックばかりに意識が向き、本来の目的を見失ってしまうことがあります。
内定はゴールではなく、社会人としてのスタートラインです。対策だけではなく、「働くこと」についても考えることが大切です。
寄り添うことの難しさ
もちろん、不安な気持ちには寄り添いたいと思っています。就職活動は孤独になりがちなので、安心感を持ってもらうことも大切です。ただ、実際のところ、「こうすればうまくいくよ」と伝えても、結果が出なかったときに他人のせいにしてしまったり、短期間で成果が出ることを求めたりする人もいます。
寄り添いながらも、最終的には自分で考え、行動できるように導くことが必要です。どこまで手助けをして、どこからは自分で決めてもらうのか。そのバランスを取ることが難しいと感じることもあります。
まずは、自分の言葉で意思を示す
「今からでも大丈夫ですか?」という質問の前に、まず「卒業までに就職を決める」という意思を持つことが大切です。気持ちがすぐに変わらなくても、「卒業までに決めたい」と自分で言葉にしてみるだけでも、次の行動が変わるかもしれません。
そこから具体的に何ができるか、一緒に考えていきましょう。